廃タイヤの分解油(Pyrolysis Oil)とは?廃タイヤからどうやって分解油が出来るの?
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廃タイヤの分解油(Pyrolysis Oil)とは?廃タイヤからどうやって分解油が出来るの?
分解油(Pyrolysis Oil)とは廃タイヤや廃プラスチック材を熱分解して作られる油です。特に廃タイヤ由来のPyrolysis Oilは、廃棄物由来の燃料として、また石油代替燃料としてとても大きな注目を浴びています。
日本は世界的に廃タイヤのリサイクル率が極めて高く、廃タイヤを細断したタイヤチップを燃料として再利用します。そのリサイクル率は90%以上とも言われています。しかし、海外で以前廃タイヤ問題はいまだ深刻な問題となっています。そこで近年、廃タイヤの分解油が着目を浴びています。環境問題に敏感な欧米諸国はもちろんのこと、石油燃料の課税が高いインドやマレーシアでも安価な代替燃料として注目を集めます。
回収した大量の廃タイヤを細断し、磁気でスチールワイヤーを仕分けします。そして、細断した廃タイヤのみを炉で熱分解していくことでPyrolysis Oil及びカーボンブラックに分解されます。
廃タイヤからどのくらいの数量の油が取れるの?
例えば100トンの廃タイヤからは、約20トンのスチールワイヤーと約45トンの分解油、そして約35トンのカーボンブラックが生まれます(細かく言うとPyrolysis Gasなども発生しますが本ページではあくまで大まかな数字を記載しています)。さらに蒸留することで上記約45トンの分解油から、約25トンの重油スペック分解油と約15トンの軽油スペック分解油を取ることが出来ます。
廃タイヤからカーボンブラックも取れるの?
上述の通り、廃タイヤ全体重量の約35%にあたる重量のカーボンブラックが抽出されます。これらは塗料向け、または再度タイヤ向けなどに利用されます。しかし、廃タイヤから直接取れるカーボンブラックは不純物も多く、決して品質は高いとは言えません。その後のプロセスで、適切にフィルタリング・粉砕することで品質を改善することが出来ます。