炭素繊維の代替として注目される新素材MAGNAVI®とは?炭素繊維やEガラスと比べてどんな特徴があるの?どんなところに使われるの?
- MAGNAVI®(日本板硝子株式会社の登録商標です)とは?
MAGNAVI®とは高弾性、高強度という特徴を持つ新開発されたガラス繊維です。
ガラス繊維が持つ耐熱性や電波透過性といった特性を保ちながら
Eガラスには無かった耐酸性やさらに高い引っ張り強度と弾性率を持っています。
上記の特性がありながら炭素繊維よりも安い価格で提案が可能な革新的な材料です。
またMAGNAVI®は開発時より環境負荷の低減も目指しており
採掘、精錬の際に環境リスクがあるレアアースを含んでおりません。
生産時のエネルギー使用・CO2排出量の削減にも取り組んでおり
脱炭素社会実現にも貢献していく製品です。
- 炭素繊維との比較
MAGNAVI®は炭素繊維に比べて下記の点でよりメリットがあります。
経済性…MAGNAVI®もガラス繊維の一種ではありますので
一般的な炭素繊維より安価で提供可能と考えます。
耐衝撃性…MAGNAVI®は炭素繊維に比べ耐衝撃性に優れ、落下や
衝突のリスクがある部材への使用に好まれる商品です。
耐熱性…炭素繊維の軟化点が約400℃前後に対してMAGNAVI®は
900℃以上が軟化点です。
絶縁性…炭素繊維は導電性ですが、MAGNAVI®はガラス繊維同様
電気絶縁性を持っています。そのためエレクトロニクス分野
等での活用が期待される商品です。
電波透過性…炭素繊維は電波遮蔽性があるという特徴を有していますが
MAGNAVI®は電波透過性のためレドーム等での使用が期待できます。
- Eガラス繊維との比較
MAGNAVI®は従来より広く使用されているEガラスと比べ
強度や耐熱性、耐酸性が強い等というメリットがあります。
以下に比較データをご紹介します。
Eガラスとの比較データ
項目 | Eガラス | MAGNAVI® | |
密度 | g/㎠ | 2.55 | 2.58 |
ガラス点移転 | ℃ | 681 | 739 |
軟化点 | ℃ | 840 | 937 |
熱膨張係数 | x10-6/degC | 5.5 | 4.2 |
引張弾性率 | GPa | 70-72 | 90-95 |
引張強度 | GPa | 2.5-3.0 | 4.3-4.7 |
耐硫酸性 | % | 100 | 16 |
(重量減量率) | (1Nx80℃x24hr耐硫酸試験後の減量率をEガラス減量率と比較した数値) |
※単繊維での物性比較です。データは保証値ではありません。
- MAGNAVI®用途、活用を期待できる分野
上述のようにMAGNAVI®は炭素繊維、カーボンに比べて
様々な特性を持っています。その特性を活かして下記の
ような分野での利用を考えています。
・エレクトロニクス分野
高強度、電波透過性を活かし、レドーム、電子機器向けUD材、
ドローンやより強度の求められるGFRP筐体。
・自動車、航空機部品等の分野
MAGNAVI®はEガラスに比べると高い強度を有し
炭素繊維に比べれば安価であるというある意味中間の
特性を持っています。炭素繊維を利用している製品を
MAGNAVI®で代替する事でコスト削減のご提案ができる可能性があります。
・産業資材分野
現在Eガラスが使用されている分野でもさらに
高い強度やEガラスに無い耐酸性、耐熱性を求められる
製品もあると思います。
また、プライ数を減らしても強度維持を実現し、薄肉化・軽量化が見込まれます。
上下水道の管更生や構造物の補強材、建築材料として
ご検討いただけると考えます。
- 最後に
創業100年を迎える前田硝子では長年にわたり各種ガラス繊維製品を取り扱っております。
プラント、造船、建築、自動車など、あらゆる業界に関連した製品を販売してまいりました。
この度日本板硝子株式会社と協力し新たにMAGNAVI®を使用した新製品の開発、販売を共に行う事となりました。
弊社はお客様の様々なご要望にお応えできるように努め、ご要望に合わせたオリジナルの開発に積極的に取り組んでいます。
まずはご相談からでも問題ありませんので下記お問い合わせボタンをクリックしていただき、
お気軽にお問い合わせください。