導入線、リード線、ジュメット線の違いとは?導入線やジュメット線にニッケル合金が使われるのはなぜ?

導入線、リード線、ジュメット線の違い

●リード線

リード線とは電子部品から電気回路の電極として取り付けられている電線の総称です。絶縁体で覆われているビニル線やエナメル線、ガラス封着用のジュメット線など様々な種類の電線があり、材質もスズ、銅、鉄、ニッケルなど様々です。

●導入線

導入線とはリード線の1種で、明確な定義はありませんが、特に電球や蛍光灯、ネオンランプなど照明関係に組み込まれるリード線が導入線と呼ばれることが多いです。電球などの照明関係に組み込まれる場合はガラスと金属線を封着させる為、絶縁体のビニルやゴムで電線が覆われておらず、金属の表面が露出しています。材質は主にニッケル合金が使用されます。

●ジュメット線

ジュメット線とは導入線の1種で、鉄とニッケルの合金で作られた芯金の円周を覆うように銅が圧延接合されている金属線です。電球やガラス封着を施すセンサーなどの電子部品に使用されます。表面を亜酸化銅被膜でコーティングしているものや、ニッケルでメッキしているものがあります。

導入線やジュメット線にニッケル系合金が使用されるのはなぜ?  

結論、ガラスと膨張係数の近いニッケル系合金を使用することでガラス封着が可能になるからです。導入線やジュメット線とニッケル合金を結ぶキーワードはガラス封着と膨張係数です。

ガラス封着とは、材質の異なる金属線とガラスを密着させることで気密封止をする技術です。電球の場合は電球内への外気の侵入を遮断しながら、電球の外にある電源と電球の中にある フィラメントを繋ぐ役割を果たしており、電球が光るための電気エネルギーの通り道となっています。また、センサーなどの電子部品においては、ガラス封着により外気中の湿気やホコリなどから守る為にガラスとジュメット線が使用されることがあります。導入線もジュメット線も電気エネルギーの通り道に留まらず、ガラスに密着できるという機能を持ち合わせる電線で、ガラス封着は製品の品質に直結する重要な技術なのです。

膨張係数とは、温度が1℃変わる毎に物体の長さや体積がどのくらい膨張するかを示したものです。本来はガラスと金属など材質の異なるものを密着させることは出来ないのですが、ガラスの膨張係数と近い(=相性の良い)ニッケル合金を使用することで、ガラス封着をすることができます。ガラスと導入線を封着させる際は、バーナーなどでガラスに熱を加え、ガラスを柔らかくしてから導入線と密着させますが、柔らかくなるまで熱した時のガラスの膨張係数と、ニッケル合金の膨張係数が近似していることで封着を可能にしています。

前田硝子がお手伝いできること

前田硝子では照明用導入線、ジュメット線の母材を海外メーカーから購入しており、それらを日本のお客様へ販売しております。入手可否の問合せだけでも回答させて頂きますのでお気軽にご連絡下さい。