世界を救う?植物由来キャッサババッグ

グローバルに進む脱プラスチックの動き

昨今、話題となっている海洋プラスチック問題。われわれ日本人も2020年からレジ袋が有料化になったことで人ごとではない実感が湧いてきたのではないでしょうか。 実は、とくに海外は環境問題にとても敏感で、オーストラリア、台湾、インドネシア、アメリカなどでは何年も前からプラスチックの買物袋は利用されておりません。2021年3月にはオーストラリア政府が2022年を目途にポリスチレン(発泡スチロール)の梱包素材としての利用廃止国家戦略として掲げたのは日本の一部メディアでも話題となりました

ここまで来た植物由来のエコ商材

いま世界で注目を集めるエコ素材は多々存在する。代表的なものでは、バイオプラスチック、トウモロコシやサトウキビ、ポリ乳酸など様々だ。 今回着目したいのが、タピオカジュースでおなじみのタピオカの原料キャッサバだ。

キャッサバとはお芋の1種で東南アジア、南アフリカ、中南米でも栽培されている。じゃがいもなどとは異なり、背の高い木に成長し、苗木を切って地中に埋めるとそこから芋が生えるという特徴をもつ。寒さと湿気に弱いため、日本での栽培は難しい。

そんなキャッサバのデンプンに、植物性油と天然由来の樹脂を組み合わせて作ったエコバックが世界中で脚光を浴びている。見た目はただの袋でこれが植物由来で出来ていると考えてると驚きだ。なんと通常のペットボトルが土に還るのに400年以上かかると言われている一方で、このキャッサババッグは半年で土に還る。

全く新しい新感覚の素材

海外で特に有名なのが、インドネシアのAVANI社だ。日本でも個人のバイヤーを通じ一部輸入されている、弁当箱などを除く、多くの製品に”#I AM NOT PLASTIC”(プラスチックではありません)のロゴが入っているのが特徴だ。”#I AM NOT PLASTIC”のハッシュタグはインスタグラムでも大きな旋風を巻き起こした。

では、実際にそのキャッサババッグの品質はどうかというと、日本人には「新感覚」。 近しい例では医療用ゴム手袋にちかい。熱に弱く、熱湯は不可。強度も一般のプラスチックバッグには劣り、袋のサイズによるが重量2キロから5キロが限界だ。

飲食店やスーパーマーケット向けには不向きだが、アパレルや小売店向けには可能性がある商材だ。海外では空港やホテル内での買い物袋としての採用が進んでいる。インスタグラマーを活用し”I AM NOT PLASTIC”のハッシュタグと共に商品をアピールする企業も多い。